Ｒ・シュトラウスの交響曲

　ここに挙げたもの以外には、シュトラウス自身によるアルプス交響曲（41年EMI録音があるらしい）があればいいだろう。

アルプス交響曲

カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン: DG。OIBP化。1957年9月、聖クロイツ教会でのモノラル録音。古典的名盤とされている。
同時録音の「ティル」とのカップリング。
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィル: Altus。1952年4月20日、ムジークフェラインにおけるライヴ。ロートヴァイスロート放送による録音。
ことさら大げさな表現はない。「大人の散歩」である。カップリングは58年の「死と変容」。
ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン: EMI。1970年録音。→全集録音。
ルドルフ・ケンペ指揮ロイヤル・フィル: TESTAMENT。1966年4月27日、リーダーズ・ダイジェスト録音。
この曲のステレオ初録音である。ケンペはこれ以前に当曲を録音したことがなかったため、直前にロイヤル・フェスティヴァル・ホールでの実演をへて、キングズウェイ・ホールでの録音にのぞんだ。直近に当オケの首席トランペット奏者となったエルガー・ハワーズ、ホルンのアラン・シヴィルなど多くの管楽器の名手をそろえての録音であった。
カップリングはシヴィル独奏のホルン協奏曲第1番。
ゲオルク・ショルティ指揮バイエルン放送交響楽団: DECCA。1979年録音。国内盤２枚組(写真左)。
ショルティとこのオケは珍しい組み合わせだが、ショルティの戦後の出世の第１歩はミュンヘンのバイエルン国立歌劇場であり、そこでR.シュトラウスの知遇を得たのであった。
VPOとの「英雄の生涯」、シカゴ響との「ツァラトゥストラ」「ティル」「ドン・ファン」とカップリングで「お買い得」。
同じ曲を収録したタワーレコード企画のSACD-Hybrid盤2枚組に買い換えた。写真右は当曲のオリジナルLPジャケット。
ロリン・マゼール指揮バイエルン放送交響楽団: RCA。1998年3月、ヘルクレスザールでの録音。
「マクベス」とカップリング。マゼール録音集30枚組BOXに収録。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル: DG。1980年録音。OIBP化(カラヤンGOLD)。
カラヤンはこの大曲を生涯で3000回以上指揮しているという。しかし以外にも録音はこれが初めてだった。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル: SONY(テレモンディアル)。2019年にBlurayで発売されたのを入手。
1983年11月20日、フィルハーモニーでのライヴ収録。
「万霊節(All Souls' Day)記念演奏会」という名目だが、万霊節は11月2日であり、それに対してこの年の11月20日は待降節の前週の日曜日で「死者の日曜日」である。→教会暦のページ
いずれにせよ、その日のプログラムとしてこの曲が相応しいとはあまり思えない。カラヤンはこの年にこの曲を42回も演奏したという。さすがにこれだけやってれば、ライヴ一発撮影でも破綻無く格好いい指揮姿を残せるというものである。（しかし前年のベルリン・フィル創立100周年での「英雄」と比べると、顔付きが最晩年のものになっており、腰の状態も良くなく時々手すりに寄りかかって指揮している。）
この前年1982年末に「ザビーネ・マイヤー事件(カラヤンが推したマイヤーの仮採用が否決)」があったが、なんとこの映像ではマイヤーがオケの中でクラリネットを吹いている！
フランソワ＝グザヴィエ・ロト指揮SWRバーデンバーデン＆フライブルク交響楽団: ヘンスラー。2014年録音。
「ドン・ファン」とカップリング。このコンビのシュトラウス管弦楽曲集第4弾。
クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィル: DG。2000年10月ライヴ録音。
カップリングの「ばらの騎士」組曲ともども、ドイツに久々に出現した歌劇場たたきあげの若手が、ウィーン・フィルと初めて顔合わせをした時のライヴ録音である。
朝比奈隆指揮北ドイツ放送交響楽団: EMI。1990年3月19日、ムジークハレでのライヴ録音。
ジャケット写真は若き日の朝比奈なので、てっきりモノラルかと思っていたら、朝比奈が最後にハンブルクに登場した際のデジタル・ライヴ録音であった。朝比奈は1960年から90年までの間に６回このオケを指揮したらしい。

家庭交響曲

リヒャルト・シュトラウス指揮ウィーン・フィル: DG。1944年2月17日、Funkhaus（つまりオーストリア放送）大ホールでのライヴ録音。
DGのウィーン・フィル150周年記念CDの１枚で、「ティル」やワーグナー「マイスタージンガー前奏曲」とのカップリング。
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル: DG。1944年1月12日、旧フィルハーモニー・ホール爆撃前最後のコンサートのライヴ。マグネットフォン録音。
クレメンス・クラウス指揮ウィーン・フィル: DECCA。1951年録音。2000年夏、TESTAMENTからCD化された（SBT 1184）。
フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団: RCA。1956年録音。LIVING STEREO。「町人貴族」組曲とのカップリング。
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団: ソニー。1964年録音。「死と変容」とのカップリング。
ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン: EMI。1972年録音。→全集録音。
なお当全集には「家庭交響曲への付属小品」op.73という曲も収録されている。（ピアノ独奏付き約20分）
ロリン・マゼール指揮バイエルン放送交響楽団: RCA。1995年2月、ヘルクレスザールでの録音。
「死と変容」とカップリング。マゼール録音集30枚組BOXに収録。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル: EMI。1976年、パリ、サル・ワグラムでの録音。
ART処理輸入盤(左)。ワーグナー「トリスタン」前奏曲・愛の死、「ローエングリン」第１＆３幕前奏曲とのカップリング。
2013年、「英雄の生涯」「ドン・キホーテ」も含むシングルレイヤーのSACD国内盤３枚組を入手（写真中央、右はオリジナルLPジャケット）。
フランソワ＝グザヴィエ・ロト指揮SWRバーデンバーデン＆フライブルク交響楽団: ヘンスラー。2014年録音。
「メタモルフォーゼン」とカップリング。このコンビのシュトラウス管弦楽曲集第5弾。
2016年のオケ消滅によりこれが最後となった。