Ｊ・Ｓ・バッハ　モテット集、ミサ曲集

モテット集

バッハのモテット集は普通、真作とされている次の６曲を収録している。

　しかしこのうち第6番BWV.230は偽作の疑いもあった（ある？）。またカンタータの一部とする説もある。
　偽作確定の曲もある。BWV.231「Sei Lob und Preis mit Ehren(賛美と誉れと栄光)」は、カンタータ第28番第2曲をもとにテレマンがモテットにしたものである。
　他には、BWV. Anh159「Ich lasse dich nicht(汝を去らしめず)」、BWV. Anh160「Jauchzet dem Herrn, alle Welt（全世界よ、神を讃美せよ）」、BWV.deest（番号無し）の「Der Gerechte kommt um（義人滅ぶれども）」などもある。（BWV.deestは、クーナウのラテン語モテットをバッハが編曲？、Anh159はJ.Ch.バッハの作？）

　カンタータと称しながら事実上モテットとして扱われている曲もある。カンタータ第118番「O Jesu Christ, meins Lebens Licht（おおイエス・キリスト、私の生命の光）」がそうである。その他、単一楽章の第50番「Nun ist das Heil und die Kraft（いまや我らの神の救いと力と）」もガーディナーがモテット集に含めている。

ハンス・マルティン・シュナイト指揮

レーゲンスブルク大聖堂聖歌隊、カペラ・アカデミカ・ウィーン

ARCHIV。1973年録音。
BWV.225-229までの５曲が、427 117-2(左)に収録されている。
BWV.230、及び偽作とされているBWV.231・BWV.Anh159は、ヴィヴァルディ「GLORIA」とカップリングで、427 142-2(右)に収録されている。

ジョン・エリオット・ガーディナー指揮モンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ

ERATO。輸入盤２枚組。1980年録音。
６曲の他、BWV.231、カンタータBWV.118＆50、およびBWV.deest「Der Gerechte kommt um」を収録している。

ジョン・エリオット・ガーディナー指揮モンテヴェルディ合唱団

SDG。2011年10月3-5日、新録音1枚。６曲の他、BWV.AnH.159を収録している。

ニコラウス・アーノンクール指揮ストックホルム・バッハ合唱団、コンツェントゥス・ムジクス・ヴィーン

TELDEC。1979年録音。６曲収録。（合唱指揮Anders Öhrwall）

ヘルムート・リリング指揮ゲヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム

ヘンスラー。輸入盤２枚組。1990年録音。
６曲の他、BWV.Anh159＆160、BWV.deest、カンタータBWV.118を収録している。

フリーダー・ベルニウス指揮シュトゥットガルト室内合唱団、シュトゥットガルト・バロック管弦楽団

SONY。1990年録音。BWV.225-229の５曲のみ収録。

ペーター・ダイクストラ指揮オランダ室内合唱団

CHANNEL CLASSICS。SACD。2007年録音。６曲収録。

鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン

BIS。SACD。2009年録音。
６曲の他、BWV.Anh159、およびカンタータ第118番を収録していながら１枚で収まっている。

エリック・エリクソン指揮エリック・エリクソン室内合唱団、ドロットニングホルム・バロック・アンサンブル

EMI。1990〜91年録音。６曲収録。

ジギズヴァルト・クイケン指揮ラ・プティット・バンドorch＆cho

ACCENT。1992年6月11日ライヴ録音。６曲収録。

フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮シャペル・ロワイヤルorch＆cho,コレギウム・ヴォカーレ

HMF。1985年11月録音。DIAPASON D'OR。６曲収録。

ルネ・ヤーコプス指揮ベルリン古楽アカデミー、RIAS室内合唱団

HMF。1995年録音。６曲収録。

フリッツ・ヴェルナー指揮ハイルブロン・ハインリヒ・シュッツ合唱団、ハイルブロン器楽アンサンブル

ERATO。1968年、シュヴァイガンでの録音。バッハ宗教音楽録音第３巻10枚組BOXに収録されている。

カール・フォルスター指揮聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊

TESTAMENT。1957年録音。BWV.227：Jesu,meine Freudeのみ。
エーリヒ・ラインスドルフ指揮のシューベルトのミサ第６番とのカップリング。

ミサ曲集

　バッハは、ロ短調ミサ以外にも、ラテン語のミサ曲を作曲している。しかし、それはカトリックの完全ミサ(Missa tota)ではなく、KYRIE,GLORIAのみからなるものである。K.233, 234, 235, 236 の４曲がある。
　またこれとは別に、SANCTUSが数曲あるがバッハのオリジナル作品とされているものは K.238 の１曲のみで、あとは他者の編曲である。

フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮コレギウム・ヴォカーレ
Agnes Mellon, Howard Crook, Christoph Pregardien, Peter Kooy

virgin。1989〜91年録音。ミサ曲 K.233-236、SANCTUS K.238収録。
他に、カンタータ K.131, 73, 105, 39, 93, 107 の６曲も収録した４枚組である。

ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツ，モンテヴェルディ合唱団

SDG。2016年12月14-16日、聖ユダ教会での録音。ミサ曲ヘ長調BWV.233。
カンタータ第151番「甘き慰めなるかな、わがイエスは来ませり」、およびマニフィカトBWV.243a（クリスマス用挿入曲4曲入り）とカップリング。