アイテルスバッハ（ルーヴァー）

アイテルスバッハ（ルーヴァー、モーゼル）

アイテルスバッハー・カルトホイザーホフベルク・リースリング・アウスレーゼ 1995 Eitelsbacher Karthäuserhofberg Riesling Auslese 1995: カルトホイザーホフ醸造所（Weingut Karthäuserhof）。ゴーミヨ４房。8.0％　750ml 5400円。
楽天ショップでも品切ればかりで、入手困難だったが、あちこちさがしてついに、何とアウスレーゼを入手できた。
しかしヴィンテージは1995年。08年で13年ものの古酒。開栓してみると、あまり古酒っぽいキツい香りはしなかったので大丈夫かな、と思ったが、しかし味はやはり「モーゼル・リースリングの古酒（酸っぱい）」だった。食中酒としてさっさと飲んでしまおう。

アイテルスバッハは、トリール市内の一地域で、ちようど南東から流れてきたルーヴァー川がモーゼルに合流する北側にあたる。

当醸造所は、19haのカルトカイザーホーフベルクを単独所有している。「ゴーミヨ　ドイツワインガイド　2005」にて、最優秀生産者賞。

カルトホイザーホフベルク畑は、西暦1200年頃にはトリール大司教の資産であった。
当カルトホイザーホフ醸造所は1335年、トリール大司教 Balduin von Luxemburgが、シャルトリューズ（カルトゥジア）修道会（1086年にSt.Brunoが開いた厳格な宗派、英carthusian＝カルト、独Karthäuser）に寄進したことに始まる。ナポレオン戦争中にフランスの占領下で1811年に世俗化され、ティレル家の祖先ラウテンシュトラウル家の所有となった。現オーナーのクリストフ・ティレル(Christoph Tyrell)氏は６代目である。ゴーミヨ2005およびhttp://de.wikipedia.org/wiki/Weingut_Karth%C3%A4userhof参照

現在、オーナーをクリストフ・ティレル氏が、ケラーマイスターをルートヴィヒ・ブライリング(Ludwig Breiling)氏が務めているが、その体制になる直前に大事件があった。
クリストフ氏の父、先代オーナーのヴェルナー・ティレル氏は、1971年のドイツワイン法の制定にも関与していたワイン業界の大立者であった。しかし、自ら立法に関与したにもかかわらず、補糖したワインをQmPとしてリリースしたことが1984年に発覚し、大きく信用を失墜させてしまったのである。（同法ではQmPへの補糖は禁止している。QbAとしてなら問題はなかった。）
そんなわけで1984年にヴェルナー氏は引退。弁護士だったクリストフ氏が跡を継ぎ、1966年からここで働いていたブライリング氏がマイスターとなり、二人三脚でようやく信用回復・品質向上を成し遂げてきたのである。