ライン下りと古城 8.
プファルツ城（Burg Pfalzgrafenstein）とグーテンフェルス城（Burg Gutenfels）
グーテンフェルス城はカウプの町から110m上の岩の上にそびえている。13世紀初頭に帝国役人（ミニステリアーレ、下級騎士）たちによって城は建設されはじめた。当初はカウプ城と呼ばれていた。
1252年、対立国王ヴィルヘルム・フォン・ホラントが城を包囲したが攻略には失敗した。1277年、ヴィッテルスバッハ家の下バイエルン公兼プファルツ伯ルートヴィヒ２世（1253-94）がこの城とカウプの町周辺および関税徴税権を買い取った。以後の有名な城伯（城市の司令長官）には、アドルフ・フォン・ナッサウ（神聖ローマ皇帝1292〜、1298死）、ヴィルヘルム１世フォン・カッツェンエルンボーゲン（1331死）が挙げられる。
分裂していたバイエルン公家が統一されるきっかけとなったランツフート継承戦争（1503-5）において、プファルツ選帝侯フィリップ（1476-1508）の所有下にあったこの城は、1504年にヘッセン方伯ヴィルヘルム２世の包囲を受けたが撃退に成功した。その後、1508年に選帝侯フィリップの子ルートヴィヒ５世(1508-44)はこの城をグーテンフェルス（良き岩）と名付け、修復し新たな防備施設を作った。
三十年戦争においては何度も交互に占領されたが破壊されずに残った。しかしフランス革命後、1806年にナポレオンによって廃城となり、翌年ナッサウ大公によって競売にかけられた。
1833年、フリードリヒ・ヘーベルが城の再建を開始し、1889-92年に建築家グスタフ・ヴァルターにより再建作業は完了した。
現在は個人所有のホテルになっている。
ルートヴィヒ２世の子で下バイエルン公ルートヴィヒ４世（1294-1347,1314-皇帝）は、1327年初めに関税徴収のために中洲に塔を建設し始めた。1337年にさらに拡充され、1339年にプァルツグラーフェンシュタイン城と名付けられた。上流から流れてくる氷からのダメージを避けるため、1606-07年に上流側を船の舳先のようにとがらせた。1714年にはバロック調に改修され現在のような外観となった。
