新ウィーン楽派の音楽

ジュゼッペ・シノーポリ指揮シュターツカペレ・ドレスデンの録音

2021年、シノーポリ没後20年ということで彼の録音をいろいろ集めてみたうちの1つ。
TELDECレーベルに彼が録音した8枚をWARNER CLASSICSがボックスにしたものである。
カラヤンと違い、声楽入りの曲を多く含む一方、「浄夜」が入っていない。
また多くがライヴ録音ということもあり、臨場感・緊迫感が素晴らしい。

シノーポリは自作の歌劇「ルー・サロメ」から組曲第1番・第2番をDGに録音している。
シュトゥットガルト放送交響楽団、ルチア・ポップ、ホセ・カレーラスによる1987年の録音である。
すでに廃盤となりCDの入手は困難だが、Amazonでストリーミング試聴してみる限り、かなりシェーンベルクやベルクに近い、後期ロマン派的な曲であるようだ。
ルー・サロメとは、ルー・アンドレアス・ザロメ(Lou Andreas-Salome 1861-1937)といい、チューリッヒ大学で宗教学・哲学・芸術史を学び、多くの著述を残したユダヤ系ロシア人の女性である。ニーチェやリルケから求婚されたが断り、のちフロイトに学んで精神分析家としても開業したという。こういう女性を題名とした作品を書くというのも、心理学者でもあったシノーポリらしい。

Disc. 作曲家 曲名 演奏 録音年月 録音場所
シェーンベルク
6つの管弦楽伴奏付歌曲 Op.8 DSK、アレッサンドラ・マーク(s) 1997/9 Semperoper,L
映画の一場面への伴奏音楽 Op.34 DSK 1998/5,6 Semperoper,L
ワルシャワの生き残り Op.46 DSK、同国立歌劇場cho、
ジョン・トムリンソン(語り)
1998/5,6 Semperoper,L
室内交響曲第1番Op.9 DSK 1998/4 Lukaskirche
シェーンベルク
『月に憑かれたピエロ』 Op.21 DSK団員、
ルイザ・キャステラーニ、
アンドレア・ルッケジーニ
1997/6 Lukaskirche
モノドラマ『期待』 Op.17 DSK、アレッサンドラ・マーク 1996/5 Semperoper,L
シェーンベルク
『グレの歌』(2CD) DSK、同国立歌劇場cho、ライプツィヒ放送cho、
トーマス・モーザー、デボラ・ヴォイト、
ジェニファー・ラーモア、ベルント・ヴァイクル、
ケネス・リーゲル、クラウス・マリア・ブランダウアー
1995/8 Semperoper,L
ベルク
7つの初期の歌(管弦楽版) DSK、ユリアーネ・バンゼ 1997/6,7,11 Semperoper,L
アルテンベルク歌曲集 Op.4 DSK、アレッサンドラ・マーク 1997/6,7,11 Semperoper,L
3つの管弦楽曲 Op.6 DSK 1997/6,7,11 Semperoper,L
演奏会用アリア『ぶどう酒』 DSK、デボラ・ヴォイト 1997/6,7,11 Semperoper,L
ベルク
「抒情組曲」からの管弦楽のための3つの楽章 DSK 1997/11 Semperoper,L
『ヴォツェック』から3つの断章 DSK、アレッサンドラ・マーク 1997/7 Semperoper,L
『ルル組曲』からの5つの交響的小品 DSK、アレッサンドラ・マーク 1998/6 Semperoper,L
ベルク
ヴァイオリン協奏曲 DSK、渡辺玲子 1995/10 Semperoper,L
室内協奏曲 DSK、渡辺玲子、アンドレア・ルッケジーニ 1996/11 Lukaskirche
ヴェーベルン
牧歌『夏風の中で』 DSK 1996/9,10 Lukaskirche
パッサカリア Op.1
管弦楽のための6つの小品 Op.6
管弦楽のための5つの小品 Op.10
交響曲 Op.21
協奏曲 Op.24
変奏曲 Op.30