ヴォルフガング・サヴァリッシュ
（1923-2013）
略歴
1923年8月26日、ミュンヘン生まれ。（ヒトラーのミュンヘン一揆の直前）
幼少期から音楽を学び、10歳でフンパーディング「ヘンゼルとグレーテル」を聴いた感動し指揮者を志す。ハンス・ロスバウトに師事。
第二次大戦で通信兵として徴兵され、イタリアで終戦を迎える。
帰国後、ミュンヘン音楽大学入学、3ヶ月で卒業。
1947年、アウクスブルク市立歌劇場コレペティトゥーア。「ヘンゼルとグレーテル」でデビュー。これが高く評価され第一指揮者、カペルマイスターに抜擢。
1949年にはピアノ奏者としてヴァイオリンのゲルハルト・ザイツと共演、ジュネーヴ国際音楽コンクール二重奏部門で1位無しの2位。
ザルツブルクでイーゴリ・マルケヴィチの指揮法マスタークラスの助手を務める。
1953-60年アーヘン、58-60年ヴィースバーデン、60-63年ケルンの各市立歌劇場音楽監督を歴任。
その間、1953年にベルリン・フィルを初めて指揮。翌54年フルトヴェングラーの葬儀でベルリン・フィルによる追悼演奏を指揮。
1957年、シュヴァルツコップのピアノ伴奏者、およびフィルハーモニア管を指揮してロンドン・デビュー。
同57年、33歳でバイロイト音楽祭に「トリスタンとイゾルデ」を指揮してデビュー。（60年にマゼールが30歳で初出演するまでのバイロイト最年少記録だった。）
バイロイトでは57-59年トリスタン、61-62年タンホイザー、62年ローエングリン、59-61年オランダ人を指揮している。
1960-70年、ウィーン交響楽団首席指揮者（カラヤンの後任）
1961-73年、ハンブルク州立歌劇場・同フィルハーモニー管弦楽団音楽総監督。
1970-80年、スイス・ロマンド管弦楽団首席指揮者。
1971-92年、バイエルン国立歌劇場音楽総監督。
1993-2002年、フィラデルフィア管弦楽団音楽監督(ムーティの後任)。
日本では1964年11月にNHK交響楽団に招かれて以来、ほぼ毎年のようにN響を振りに来日。67年に同響の名誉指揮者、94年に桂冠名誉指揮者となっている。2004年の共演が最後となった。
私は、彼のバイエルン退任後の次のポストがフィラデルフィアということに大変驚いたものだ。（既にオーマンディが60年代に「後を継いで欲しい」と要請していたらしい。）彼はここで様々な録音をEMIに残している。レコード業界はなぜバイエルン時代にもっと彼の録音を残さなかったのだろうか？
2013年2月22日死去。
録音
| レーベル | CD番号 | 作曲家 | 曲 | オケ共演 | 録音年月日 | 録音場所 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| EMI | CE33-5369
| シューマン | ミサ・サクラop.147 | ベルリン・フィル デュッセルドルフ市楽友協会合唱団 白井光子、ペーター・ザイフェルト ヤン=ヘンドリック・ルーテリンク | 1987/9/13-14、L | BP |
| PHILIPS | 426 654-2
| シューベルト | ミサ曲第5番 As-dur D.678 | シュターツカペレ・ドレスデン ライプツィヒ放送合唱団 ヘレン・ドナート インゲボルク・シュプリンガー ペーター・シュライヤー ハンス・ヨハヒム・ロッチュ(第6番のみ) テオ・アダム | 1971/6 | Lukaskirche |
| ミサ曲第6番 Es-dur D.950 | ||||||
| ORFEO | C039 101A
| ブラームス | ドイツ・レクイエム | バイエルン放送交響楽団・合唱団 ミュンヘン音楽大学室内合唱団 マーガレット・プライス、トマス・アレン | 1983/3/14-19,10/26 | Herkulessaal |
| ORFEO | C145 851A
| ブルックナー | 交響曲第1番（リンツ稿） | バイエルン国立管弦楽団 | 1984/10/25-26,28 | ミュンヘン大学大講堂 |
| ORFEO | C160 851A
| ブルックナー | 交響曲第9番 | バイエルン国立管弦楽団 | 1984/12/23 | ミュンヘン大学大講堂 |
| DG | POCG-2937
| バルトーク | 歌劇「青髭公の城」 | バイエルン国立管弦楽団 D.F-ディースカウ ユリア・ヴァラディ | 1979/3-4 | Herkulessaal |
| EMI | TOGE- 12098/100 (SACD-H) 
| シューマン | 交響曲第1番「春」 | シュターツカペレ・ドレスデン | 1972/9/1-12 | Lukaskirche |
| 交響曲第2番 | ||||||
| 交響曲第3番「ライン」 | ||||||
| 交響曲第4番 | ||||||
| 序曲・スケルツォとフィナーレ | ||||||
| 「マンフレッド」序曲 | ||||||
| DG | UCBG-9056 (DVD) 
| モーツァルト | 歌劇「魔笛」 | バイエルン国立歌劇場 クルト・モル エディタ・グルベローヴァ ルチア・ポップ フランシスコ・アライサ ヴォルフガング・ブレンデル | 1983 | Bayerische Staatsoper |
| EMI | TOLW-3692/3 (LD) 
| ヴァーグナー | 楽劇「ラインの黄金」 | バイエルン国立歌劇場 ロバート・ヘイル ロバート・ティア エッケハルト・ウラシハ ハンナ・シュヴァルツ クルト・モル マリヤーナ・リポフシェク ナンシー・グスタフソン | 1989/11/1,7 | Bayerische Staatsoper |
| EMI | TOLW-3694/6 (LD) 
| ヴァーグナー | 楽劇「ヴァルキューレ」 | バイエルン国立歌劇場 ローベルト・シュンク ユリア・ヴァラディ クルト・モル ロバート・ヘイル ヒルデガルト・ベーレンス | 1989/11/11-12,14,12/2 | Bayerische Staatsoper |
| EMI | TOLW-3697/9 (LD) 
| ヴァーグナー | 楽劇「ジークフリート」 | バイエルン国立歌劇場 ルネ・コロ ヘルムート・パンプフ ロバート・ヘイル エッケハルト・ウラシハ クルト・モル ヒルデガルト・ベーレンス ハンナ・シュヴァルツ | 1989/11/19,22-23 | Bayerische Staatsoper |
| EMI | TOLW-3700/2 (LD) 
| ヴァーグナー | 楽劇「神々の黄昏」 | バイエルン国立歌劇場 ヒルデガルト・ベーレンス ルネ・コロ ハンス・ギュンター・ネッカー リスベート・バルスレフ マッティ・サルミネン エッケハルト・ウラシハ | 1989/11/26-27,30 | Bayerische Staatsoper |
| EMI | DN 0010 (13CD) 
| モーツァルト | ヴァイオリン協奏曲第3番 | フィルハーモニア管 ヨハンナ・マルツィ | 1954/6/9-10、M | Kingsway Hall |
| メンデルスゾーン | ヴァイオリン協奏曲 | |||||
| EMI | CMS5 65212 2
| ヴァーグナー | 「神々の黄昏」〜 ジークフリートのラインの旅 ＆ジークフリートの葬送音楽 | フィルハーモニア管 | 1958/2/25-26,7/29 | ARS |
