リッカルド・ムーティ

(1941〜)

略歴

 ピアノの研鑽をつみ、ニーノ・ロータが校長をつとめるバーリ音楽院に進む。そこで音楽院オーケストラの指揮者が病気で公演を欠席した際、校長ロータはムーティに代役を命じた。簡単な振り方だけ教わって公演を指揮したら成功したため、指揮に興味を持ち始めた。
 1967年、グィド・カンテルリ指揮者コンクールで優勝し、イタリア国内の主要楽団を指揮。
 1969年、フィレンツェ五月音楽祭歌劇場の音楽監督に抜擢。
 1971年、クレンペラーの後任としてニューフィルハーモニア管弦楽団首席指揮者。EMIへの録音も開始。79年同団初代音楽監督。
 1980年、引退を考えていたオーマンディの推挙によりフィラデルフィア管弦楽団音楽監督に就任。
 1986年、アバドの後任としてミラノ・スカラ座音楽監督就任。多くのオペラ録音を残し長期にわたりその座をつとめた。
 2005年3月、スカラ座のオケおよび職員から不信任をつきつけられる。2月に免職となった総支配人フォンターナとの対立が原因で、ムーティがベルルスコーニ首相と懇意だったのに対し、フォンターナは左派に属していたことから、政治的対立が理由だったとも見られている。
 その後は長くフリーで様々なオケ・劇場に客演。
 2008年5月、2010年からシカゴ交響楽団音楽監督となることが発表される。

 80年代にベルリン・フィルと録音していたことから、カラヤンの後任候補にも名前が挙がっていた。
 ウィーン・フィルにも1973年以降毎年指揮しており、初来日も1975年にベームとともにウィーン・フィルに帯同してのことだった。
 1979年にはバイエルン国立歌劇場に初登場して「アイーダ」を指揮。それ以来カルロス・クライバーとの親交が続いた。

録音

 オーマンディの後任としてフィラデルフィア管の指揮者となったこともあり、私は彼の録音を通俗的管弦楽名曲ばかり集めていた。しかしベルリン・フィルとのモーツァルト「レクシエム」やブルックナー第4番を聴いて少し考えが変わった。

レーベルCD番号作曲家団体、共演録音年録音場所
EMICDC7 49301 2
ケルビーニレクイエム d-moll ニューフィルハーモニア管
アンブロジアン・シンガーズ
1973/9All Saints' Church
Tooting
EMICDC7 49678 2
ケルビーニレクイエム c-moll フィルハーモニア管
アンブロジアン・シンガーズ
1980/7/17-18
EMICC30-9031
ムソルグスキー展覧会の絵 フィラデルフィア管弦楽団 1978/3/15-18 The Old Met Philadelphia
チャイコフスキー大序曲「1812年」 1981/2/9
リスト前奏曲 1983/1/8
EMICDC7 47278 2
ベルリオーズ幻想交響曲 フィラデルフィア管弦楽団1984/11/3,5Memorial Hall
EMITOCE-3331
(CDC7 47316 2)
レスピーギ 「ローマの松」 フィラデルフィア管弦楽団1984/11/10,12Memorial Hall
「ローマの噴水」
「ローマの祭り」
EMITOCE-3368
ヴェルディ聖歌四篇ベルリン・フィル、
スウェーデン放送合唱団、
ストックホルム室内合唱団、
アーリン・オージェ
1982/11/13-14BP
EMICZS5 73943 2
(73944)
ブルックナー交響曲第4番「ロマンティシェ」ベルリン・フィル1985/11JCK
EMI(ESOTERIC)ESSE 90070
(SACD-H)
モーツァルト レクイエム ベルリン・フィル、
スウェーデン放送合唱団、
ストックホルム室内合唱団、
パトリシア・パーチェ、
ヴァルトラウト・マイヤー、
フランク・ロパード、
ジェイムズ・モリス
1987/2/14-15BP
アヴェ・ヴェルム・コルプスベルリン・フィル、
スウェーデン放送合唱団、
ストックホルム室内合唱団
BMGBVLO-101/2
(LD)
モーツァルト歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 ミラノ・スカラ座、トマス・アレン、
クラウディオ・デズデーリ、アン・マレイ、
エディタ・グルベローヴァ、
フランシスコ・アライサ、
セルゲイ・コプチャク、ナターレ・デ・カロリス、
シュザンヌ・メンツァー
1987/12/12,15ミラノ・スカラ座
PHILIPSPHLP-8527
(LD)
モーツァルト ディヴェルティメントK.136 ウィーン・フィル1991/7/28、Lザルツブルク祝祭大劇場
交響曲第40番
交響曲第41番「ジュピター」
TDKTDBA-0030
(DVD)
ヴェルディ歌劇「オテロ」ミラノ・スカラ座、
プラシド・ドミンゴ、
バルバラ・フリットリ、レオ・ヌッチ
2001/12/18-20、Lミラノ・スカラ座