ジェームズ・レヴァイン
（1943〜2021）
略歴
1943年、オハイオ州シンシナティのユダヤ系の家系生まれ。
祖父はシナゴーグの楽長、父はダンス・バンドのリーダー兼ヴァイオリニスト、母は女優。
幼少期からピアノを学び始め、10歳でシンシナティ交響楽団ユース・コンサートでデビュー。
1956年、マールボロ音楽院でルドルフ・ゼルキンに学ぶ。
1961年、ジュリアード音楽院入学。ジャン・モレルに指揮を学ぶ。
卒業後、ボルティモア交響楽団のプロジェクトに参加後、クリーヴランド管弦楽団でジョージ・セルの助手・指揮見習いを1970年まで務める。
1970年、フィラデルフィア管弦楽団の客演指揮者として指揮者デビュー。同年オペラ指揮者としてもデビュー。
1971年、メトロポリタン歌劇場で「トスカ」を指揮してデビューし大成功。その後も出演を重ね首席指揮者に任命される。
1975年からは音楽監督、さらに1986年からは同劇場初の芸術監督に就任。
コンサート指揮者としては、アメリカではシカゴ交響楽団との共演・録音が多く、ラヴィニア音楽祭やシンシナティ五月音楽祭の監督も務めた。
1999年、チェリビダッケの死後空席だったミュンヘン・フィルの音楽監督に就任。コンサート・オケの監督はこれが初めてだったが、リハの短さ・団員オーディションにも立ち会わないなど、チェリとのあまりの違いに不評を買い2004年に解任される。
2004年、小澤征爾の後任としてボストン交響楽団音楽監督に就任（〜2011年）。
ベルリン・フィルやウィーン・フィルとの共演も多い。特にウィーン・フィルとは1975年からの付き合いでザルツブルクでの共演もある。さらにモーツァルトの交響曲全集も録音している。
バイロイト音楽祭では、1982年の「パルジファル」初演百周年でデビューし、バレンボイム・シノーポリらとともに1980-90年代の音楽祭を支えた。
2008年以降、腎臓や椎間板などの手術でキャンセルも多くなり、2011年にボストン響を退任、メトロポリタン歌劇場でもほとんど指揮していない。さらに2012年には1994年頃からパーキンソン病を患っていたことも公表。
その後、2013年に指揮活動を再開。
2017年、健康上の理由からメトロポリタン歌劇場芸術監督を退任するも名誉音楽監督の称号を得て出演を続けた。しかし、2018年に性的スキャンダルで解任される。
2021年、カリフォルニアで死去。
録音
以下は私の所有しているもの。これ以外にはベルリン・フィルとシューマンの交響曲全曲、メンデルスゾーン「スコットランド・イタリア」、ベルリオーズ「幻想」、サンサーンス「オルガン」、シベリウス第2・4・5番、マーラー「大地の歌」などの録音がある。またシカゴ響とは、同楽団初の「惑星」録音や「カルミナ・ブラーナ」、バルトーク「オケコン・弦チェレ」などがある。これらは全てドイツ・グラモフォンからの発売であり、あらためて彼が80〜90年代における同世代指揮者の中での売れっ子指揮者だったかがわかる。
| レーベル | CD番号 | 作曲家 | 曲 | オケ、共演 | 録音年 | 録音場所 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| DG | UCCG-7005
| モーツァルト | 交響曲第40番 | ウィーン・フィル | 1989/6 | WMV |
| 交響曲第25番 | 1985/6 | |||||
| DG | UCCG-7006
| モーツァルト | 交響曲第41番「ジュピター」 | ウィーン・フィル | 1989/6 | WMV |
| 交響曲第39番 | 1986/12 | |||||
| DG | 459 409-2
| モーツァルト | ミサ曲ハ短調K.427 | ウィーン・フィル 同国立歌劇場cho キャスリーン・バトル レラ・クベルリ ペーター・ザイフェルト クルト・モル | 1987/12 | WMV |
| DG | 449 829-2
| ブラームス | 交響曲第1番 | ウィーン・フィル | 1993/8 | WMV |
| 交響曲第2番 | 1995/10 | |||||
| アルト・ラプソディ | ウィーン・フィル アンネ・ゾフィー・フォン・オッター アルノルト・シェーンベルクcho | 1992/11 | ||||
| 悲劇的序曲 | ウィーン・フィル | |||||
| 交響曲第3番 | ||||||
| 交響曲第4番 | 1994/11 | |||||
| RCA | 82876 60861 2
| ブラームス | ドイツ・レクイエム | シカゴ響・合唱団 キャスリーン・バトル ホーカン・ハーゲゴルト | 1983/7/5-6 | Orchestra Hall |
| BSO Classics | 0901 (SACD-H) 
| ブラームス | ドイツ・レクイエム | ボストン響 タングルウッド音楽祭合唱団 クリスティーネ・シェーファー ミヒャエル・フォレ | 2008/9/26-27、L | Symphony Hall |
| DG | 431 652-2
| スメタナ | 連作交響詩「我が祖国」 | ウィーン・フィル | 1986/6 | WMV |
| DG | POCG-1965
| ドヴォルザーク | 交響曲第8番 | シュターツカペレ・ドレスデン | 1990/11-12 | Lukaskirche |
| 交響曲第9番「新世界より」 | 1994/11 | |||||
| DG | POCG-1660
| ガーシュウィン | ラプソディ・イン・ブルー | シカゴ響 | 1990/7 | Orchestra Hall |
| キューバ序曲 | ||||||
| キャットフィッシュ・ロウ （「ボキーとベス」による組曲） | ||||||
| パリのアメリカ人 | ||||||
| DG | 437 093-2
| ベルク | ヴァイオリン協奏曲 | シカゴ響 アンネ・ゾフィー・ムター | 1992/6 | Medinah Temple |
| リーム | 「歌われし時」 | |||||
| ORFEO | C837 112B
| マーラー | 交響曲第2番「復活」 | ウィーン・フィル 同国立歌劇場cho キャスリーン・バトル クリスタ・ルートヴィヒ | 1989/8/19、L | Salzburg Festspielhaus |
| RCA | 88697686092
| マーラー | 交響曲第1番「巨人」 | ロンドン響 | 1974/8 | London |
| 交響曲第6番「悲劇的」 | 1977/2 | Walthamstow Town Hall | ||||
| 交響曲第3番 | シカゴ響・合唱団 グレン・エリン少年合唱団 マリリン・ホーン | 1975/7/21-23 | Medinah Temple | |||
| 交響曲第4番 | シカゴ響 ジュディス・ブレゲン | 1974/7 | ||||
| 交響曲第7番「夜の歌」 | シカゴ響 | 1980/7/14-15 | ||||
| 交響曲第5番 | フィラデルフィア管 | 1977/1 | Scottish Rite Cathedral | |||
| 交響曲第9番 | 1979/1 | |||||
| 交響曲第10番第1楽章アダージョ | 1978/4 | |||||
| 交響曲第10番第2〜5番（クック版） | 1980/1 | |||||
| ARTHAUS | 109390 (Blu-ray) 
| モーツァルト | 歌劇「魔笛」 | ウィーン・フィル 同国立歌劇場合唱団 マルティ・タルヴェラ ペーター・シュライアー エディタ・グルベローヴァ イレアナ・コトルバス | 1982/8/21、L | Felsenreitschule Salzburg |
| DG | POLG-1079/80 (LD) 
| ビゼー | 歌劇「カルメン」 | MET、アグネス･バルツァ ホセ・カレーラス レオーナ・ミッチェル サミュエル・ラミー | 1987/2 | MET |
| DG | POLG-9090/2 (LD) 
| ヴァーグナー | 楽劇「パルジファル」 | MET ジークフリート・イェルザレム クルト・モル ヴァルトラウト・マイヤー ベルント・ヴァイクル ヤン・ヘンドリク・ロータリング | 1992/3 | MET |
| DG | UCBG-3020 (DVD) 
| プッチーニ | 歌劇「トゥーランドット」 | MET プラシド・ドミンゴ エヴァ・マルトン レオーナ・ミッチェル | 1987/4、L | MET |
| PIONEER | PILC-2016 (LD) 
| プッチーニ | 歌劇「ボエーム」 | MET、ホセ・カレーラス テレサ・ストラータス レナータ・スコット | 1982/1/16 | MET |
| PIONEER | PILC-2015 (LD) 
| R.シュトラウス | 楽劇「エレクトラ」 | MET、ビルギット・ニルソン レオニー・リザネク | 1980/2/16 | MET |
